ITインプラントは、私が10数年の研究の末に開発し、厚生省の認可を受けた国産のインプラントで、長期の維持・保存を主眼に置いています。次の2点において世界で初めての画期的なインプラントです。
- 今までのインプラントの構造体と異なり、上部構造がセメント止めやネジ止めでない特殊な維持形体をしており、インプラント体に負荷をかけずに上部構造の着脱が簡単に行えるようになりました。インプラント治療は、人工の歯による再生治療です。上部構造は、消耗品として10年前後にはやり替えが必要になることを考慮しておかなければなりません。
- 今までであればインプラント治療を諦めなければいけなかったような骨の少ない症例にも骨の造成なしに埋めることができ、骨の幅の少ない東洋人に適しています。残存骨の深さが4ミリ、骨幅2.5ミリまで可能です。骨が柔らかく深さの少ない場合にも使用できます。


院長 平井滋からの ひと言
当医院のインプラント治療の方針も以下のとおりです。
- 生体を大事にし、生体を傷つけることを必要最小限にする
- 長期に安定して保存・維持ができ、上部構造の保守を容易にする
- 骨が少なくても、骨の移植・造成などを行わず、最適な種類のインプラント(ITインプラント他)を採用し精密な手術を可能にする
インプラント治療について
歯の欠損を回復する方法には、ブリッジ、入れ歯、インプラント治療があります。できるだけ長く自分の歯を保存し、自分の歯で咬めるようになるためには、無理のない治療方法が必要です。それぞれの方法には、治療上の利点・欠点がありますが、その中でインプラント治療は、咀嚼(そしゃく)能力の回復と向上が一番高い治療法です。インプラント治療は、従来の治療法(ブリッジ・入れ歯)と比較して、残存している歯への負担が少なく、個々の歯やインプラントで咬むことができることにより長期の歯の保存を可能にします。
また、多数歯の欠損していたり、全ての歯がない顎の場合などにおいても、従来の治療(ブリッジ・入れ歯)では対応できない場合や入れ歯では安定した咀嚼の回復が難しい場合でも、インプラント治療を行うことにより、速やかに咬み合せの回復と咀嚼の向上と長期の保存維持ができるようになりました。全ての歯がない場合では、インプラント体を(片顎平均6本~10数本)埋入する、フルブリッジ・インプラント治療も可能です。これにより、義歯を入れずに咀嚼の改善ができ、天然歯に近い感じで物が食べられるようになります。
咀嚼能力が高いことは、多種多様な食べ物の摂取が可能となり、QOL(生活における質的向上)の維持、向上、健康寿命の延長にもつながってきます。快適な食生活が、心身共に良好な状態の維持に繋がり、結果として健康寿命の延長を実現していくのです。
治療後の長期にわたる経過観察の中で、どのような問題が生じ、どう良好な状態に回復改善維持できたかをしっかり管理していくことが大事です。
インプラント体にも耐用年数がありますが、定期的な口腔管理とチェックにより30年を超えることもあります。以前では難しかった再治療(再埋め込み)による良好な回復も可能になってきました。
特に高齢者の生活の質に大切なのは
- 低栄養の改善
- 認知症の予防
- 閉じこもり予防
- 転倒骨折の予防
などですが、インプラント治療による咀嚼機能の回復はこれらにつながります。これから国民の高齢化がますます増加していく中で、我々歯科医師は、患者さんにいかによりよい健康長寿を迎えていただくかを考えていかねばならないと思っています。